南城市知念にある首里泊手系の史跡「少林寺流祖 仲里常延(なかざとじょうえん)先生顕彰碑」をご紹介します|沖縄伝統空手道振興会
南城市
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南城市知念に建立された「少林寺流祖 仲里常延(なかざとじょうえん)先生顕彰碑」は、沖縄空手界の重鎮であり、少林寺流の創始者である仲里常延(1922-2010)を顕彰する記念碑です。
仲里常延は1922年、当時の知念村(現南城市知念)に生まれ、1938年から1943年まで、「拳聖」と称された喜屋武朝徳師に師事しました。6年8ヶ月にわたる修行期間中、喜屋武朝徳師から首里手と泊手の真髄を学び、その教えを忠実に継承。戦後、1947年に熊本県で道場を開設し、1952年に沖縄に帰還後、地元知念村に道場を構えました。
1955年には「少林寺流」を創始。首里手系および泊手系の流れを汲む少林寺流は、喜屋武朝徳師から伝承された8つの型を基本とした技法を特徴としています。特に低い蹴り、掛け手、手刀、猫足などの技が多く見られ、「一器の水を一器にうつす」という禅の教えに基づいた指導を行いました。
仲里先生は全日本空手道連盟沖縄地区特別本部副会長、沖縄空手道連合会副会長、全沖縄空手道連盟会長などの要職を歴任し、1989年には少林寺流範士10段を取得。2000年には沖縄県指定無形文化財「沖縄の空手・古武術」の保持者として認定され、2007年には沖縄県文化功労者に選出されるなど、沖縄空手界の発展に多大な貢献を果たしました。
この顕彰碑は、喜屋武朝徳師から受け継いだ古伝の技を一切変えることなく保存・継承し、沖縄空手の正統な伝承に生涯を捧げた仲里常延先生の功績を後世に伝えるものとして、深い意義を持っています。