那覇市真嘉比にある首里泊手系の史跡「糸洲安恒顕彰碑(糸洲家墓所)」をご紹介します|沖縄伝統空手道振興会
那覇
沖縄空手の歴史を辿る上で、決して外すことの出来ない人物が現れます。それが首里手の大家 糸洲安恒です。首里儀保の士族の家系に生を受けた糸洲安恒は、当時貧弱であった心身を鍛え上げるために、父親から空手を習わされる事になったそうです。同じく首里手の伝説的空手家 松村宗棍に師事を受けた糸洲は、やがて空手に関する様々な分野で功績を残す事になります。初心者への普及を目的とした型「平安初段」から「平安五段」の考案や、「ナイファンチ弐段」「ナイファンチ参段」の考案など、首里手系の道場で稽古されている型の生みの親でもあります。また空手を学校教育に取り入れた第一人者としての功績も大きく、糸洲が後世のために残した「唐手心得10カ条(糸洲十訓)」は、伝統空手の真理をひも解く貴重な先人の言葉として、現在でも広く読み込まれています。糸洲の顕彰碑は、那覇市の真嘉比という地域にあり、同じ墓地の中には糸洲が師事した松村宗棍のお墓や、弟子の花城長茂のお墓もある、首里手系大家の史跡が集まるスポットとなっています。
※墓所には偉人への礼節と敬意をもって訪問し、マナー違反(許可なく線香を焚く事/演武等の行為など)のないように立ち振る舞いをお願いいたします。